やっぱり納得できないことばかり

 やじゅんさんとこへのトラックバック例によって言いたいことを言い放ってるだけです。なにより、情報の確度が話の流れのすべてを決定しますし、その確度をあげることが僕には出来ないので。


 テロがアルカイダによるものだという具体的証拠がどんなものだったのか、その結論は日本でも紹介されていますが、その内容はみたことがありません。募金などで成り立っているテロ組織にありがちな犯行声明が出ているわけではないですし(ですよね)、アルカイダがやったという結論そのものに自分は疑問を持っています。結果からみて最も得をしたのはイスラエルユダヤ系の人間ですし(シャロンやりたい放題の巻)、数週間前から911には登社するなという噂が流れていた(と聞いただけですが)ユダヤ人のほうにずっと動機らしい動機があるのではないかと穿った見方をしています。

 この噂の確認のため、死傷者の民族構成を調べたいのですが(あのビルで勤務していた人のユダヤ人の割合と、死んだ人の割合にどのぐらいの開きがあるのか、ないのか。NYということだけでなくても、割合はユダヤ人が一番多いと思うのですが・・・)、資料が手に入りません。


 テロの資金源を特定の国が担っているという情報にも不確かさを感じます。

 中東地域の(経済的?)停滞がテロを生み出す土壌となっているとするなら、ご存じの通り経済封鎖前のイラクは中東の雄だったわけで、フセインがいたことで経済封鎖をしなければならなかったとすれば、湾岸戦争そのものの失敗(戦争末期、敗走する機甲師団を航空攻撃しなかったし、結果としてフセイン政権は継続した)に求めるべきなのではないかと。

 アフガンが安定していると言われますが、タリバン政権下でも混乱していたわけではなく、今でも軍閥の力が強いためにタリバン政権下と同じ構造によって安定しているに過ぎないかに見えます。

 国連決議を伴うイラクへの制裁は世界の合意の元で行われたとしても、テロ対策としての国家攻撃が本当に有効なのかどうかは、全く見当違いと僕は考えていますし、これからの歴史が答えを出すでしょう。僕が考えているような「勝ちすぎ」に集約されるテロの原因を、イスラム社会の問題や、停滞の問題として捉える以上、遍在性をして有利性を確保するテロとの戦いにはおよそ不十分ですし、テロが持つ本質的問題(日本も攻撃されるのかどうか)に光を当て、アメリカがやっているような方法に寄らないテロ対策を行うことは不可能だし、アメリカの方法を他国が真似することもまた不可能なだけに、先制攻撃についての考察などもっと先の段階にある問題提議なのではないかと思います。



 今後の先進国のテロ対策は、勝ちすぎの解消に尽きると僕は考えています。空襲や潜水艦攻撃を完全に防ぐことが出来ないのと同様、BC兵器までを含めたテロを防ぐことが理論上はほとんど不可能である以上、テロの精神的原因に光を当て、それを解決することしか本質的対策はないと考えています。

 しかし恐らく、欧米の白人社会は400年以上の富の蓄積構造を手放すことは出来ないでしょう。それなら、搾取構造の中間にいて南側社会から決定的な搾取者と捉えられていない日本は独自の対策を立てられるはずで、サミット参加クラスの先進国という枠組みで捉える必要はないと思います。大規模テロの対象とされるほどには相手にされていないでしょう。

 同じ被搾取国である日本を攻撃しても、ベトナムなどで言う代理戦争に相当することから、思想的指導者がいるような組織は日本人をターゲットにした大規模テロを行わないのではないかと考えています。だから怠けていいという話ではありませんけど。


 一方で、もし日米安保なしに、中国から空母を含む機動艦隊を尖閣諸島に展開されたらと考えると、今後は植民地としての傘の下での最大利得を得るべき方向性がさらに高まってくるのではないかと考えています。
 もっといえば、上院では議論があったらしい「北朝鮮核実験前の先制空爆」などやっていただけると(ただし風向きの良い夏場)、貢ぎ物の代価としての宗主国義務を果たしていただいているなぁと感じます。