いくら前向きになったとはいっても

最もよい予測を人に語るのは飽きたのよ。怖いと表現してもよい。
金を借りるとき、金融機関相手なら相手も金貸しのプロなのだからいくらでも、嘘をついてでも金を借りるのがこちらの目的であるし、それでだまされるのはプロとしての能力の限界であるからこちらとしても後ろめたくないが、親戚など、僕に精神的思い入れがあると思われる人々に、ばら色の未来を語ることはもうしないのよ。曰く「銀行からの借金を自己破産すれば確実に返済できます」という表現になる。

これはこれで非常に正直で嘘もなく、信頼を裏切る可能性がないので安心して表現できるし、相手に損害を与える心配もない。僕が貸す側なら、こういう最悪のケースをマネジメントした資金計画にしか金を貸す気にはならないのだが、言われた言葉が「もう少し貸す気になるものを持ってこられないのか」とのこと。

昔、カーネギーの「人を動かす」に「優秀な人間は最悪の状況を予想しながら楽観的に行動する」と書いてあったのを今更ながらに思い出す。低成長、富の集積の時代に際して、マイナス思考こそが人を救う。

ま、終わった話であり、回顧録でしかないけどね。
聞けば、今回は最初から貸す気だったらしいし。