戦略会計士との懇談

いろいろ話したなぁ。
・新企画はどうやら面白いらしい。彼も賛成してくれた。結局は費用対効果の問題だけだけど、それにしても大丈夫だろう。もちろん、出だしで4000万円とかをつぎ込めば確実であることは間違いないが、普通に数百万円でやれれば本当に楽だ。回収には資金の回りの関係から2ヶ月を要する。この企画、誰も迷惑しないしほとんど誰もリスクを背負わないけれども、誰も手を着けていなくて、しかも人の役に立つというのがウリだ。初年度で年商1億円、粗利益3000万円がねらえるぐらいかな。拡大再生産のペースを早くすればもっと行くんだろうか。

・彼は現状のような消費社会が長続きはしないと言うが、その根拠は多くの人の消費力がなくなるからというもの。強者の法則で弱者が徹底的に叩かれて、大企業ばかりが残り、しかもこれまでと違ってその儲けは給与としては還元されず、株主など強者のもとに集まるようになるので、弱者の新規参入すら怪しいという考え方だ。年収300万円の基本的な考え方だ。

しかし、現状でも40歳過ぎのサラリーマンが年間3万人も自殺しているのに、30歳前後の人間が30年の住宅ローンを組んで、カード購買を行うのをやめていない。これは何を意味するかというと、アメリカの洗脳が非常に良く効いており、消費活動以外や決まった幸福感から抜け出して、普通であることをやめた消費活動を行えないためだ。彼は現状でもローンが払えなくなったマンションなどが大量に売りに出ていると言うが、それでも新築住宅の購入者は絶えることがない。

僕らから見ると気が狂っているとしか思えないが、それは、それ以外のライフスタイルを考えられないからだ。

人は命の危険があったときにのみ変革の可能性があるが、自殺とは言わないまでも、自己破産は多くの人にとって死を意味する。その死の恐怖が忍び寄ってこないわけではないのに、そうした購買活動をやめないのはそれ以外に生き方を思いつかない。

だから、その死の恐怖がより具現化するまで、この消費システムは終わりにはならないだろう。そしてそれを突き崩すのは、現状のライフスタイルに失望しているニートに他ならない。僕も彼も、ニートの目端は相当効くと見ている。あるいは、ものと値段の激しいせめぎ合いの中に生きているオタクぐらいだろう。

・人はそれほど急にかわれない。学歴、資格と年収、ましてや幸福感の相関はどんどん薄くなりつつある。住宅の購買はその後の人生に甚大なリスクを負わせる。しかし、多くの人は僕に言う。

「家を買わないのならどこにすむんですか?」「借家ですよ」「信じられない。家賃より安い支出で家が買えるのに」

「学校になんて行かせる方が危険ですよ」「そうはいってもねー」

これがさまよえる子羊の現状だ。人が事実を認めてその現実に即するのはこれほど難しいのだ。

・会計士もすでに儲かる商売ではない。目端が利く人は不動産に特化したり、外資系の投資銀行に勤めたりしている。30歳過ぎで会計士の資格を取ってもそうした道を歩みにくいことから、年収で500〜600万円がせいぜいだとか。

そうしたあり地獄から抜け出すために努力して会計検査法人を抜け出した人ですら、その消費スタイルは旧態依然としたものなのだと彼は言っていた。

もっといろんな話をしたけれど、追々。