怪しげな会社の出資説明会に行く

tomonya2005-10-28

 出資説明会と言われていったが、実際には説明会一時間と、福岡でも五本の指に入るホテルのフルコースディナー、高そうな赤ワイン(テーブルに一本)、ピアノとサックスの生演奏、全員分の似顔絵という、まぁ、接待みたいなもんだった。

 接待費合計は、30人程度の人数に対して、70〜100万円程度と見た。フルコースは実際に自分のお金で食べると2万円弱だろう。行きつけのハイパフォーマンスのフランス料理屋でもワイン抜きで1万円をくだらない感じ。今、ワインの値段を調べてみたら、一本で18000円を超えるようだ。日本酒しか正確には評価できない僕にも、相当うまそうな感じがしたもんねぇ。

 しかしだ、どう考えてもどうしょうもない投資。来年以降、ファンドを組む可能性がある者として、これでもかかるターゲットが多数存在する(先方の説明では400人以上。一口は最低100万円である)ことと、その説明内容のそつなさとくだらなさに感動した。

 三井物産のファンド説明会(これはかなりしっかりしていた)で説明していた、恐らく勝ち組(もっとも厳しい94年頃の入社か)の若い社員よりも、ずっと説明が上手いし、そつないし、煙に巻く技術に長けている。

 まぁ、あんまり営業の邪魔をしてはいけないので、あまり公の場では聞かないようにしていたのだけれど、あっちから話しかけてきたんだからしょうがないじゃないか。こっちとしては君らがやくざがらみであること、あるいは君ら自身が構成員であることを恐れているのだよ。

・ぼく「ファンドと説明されましたが、これはプロ私募ですか?投資法人形態ですか?」
・せんぽう「どちらでもありません。私募債などの場合は募集したお金をどのように運用しても良いと言うことになっていますので、はっきりと目的を持って募集できるように、このような形態になっています(あまりにもかわいそうで、つっこめなかった)。現地の資産が14億円相当ですから、それに対しての出資ということで、基本的には経営状態が悪くなっても元金相当額が保証されているという感じになっています。出資法の関係でそうは書けませんけれど」
・ぼ「では課税は総合課税でしょうか」
・せ「雑所得ということで、みなさんには申告されるようにおすすめしています。年収2千万円以下の方は雑所得20万円まで非課税ですので・・・ごにょごにょ(要するに言外に申告しなくても・・・といっているようなのである)」
・ぼ「パンフレットでは7〜8%だけれども、テレビの宣伝では3%程度と低く公募しているというお話でしたが、それは優先劣後の差を付けると言うことでしょうか?」
・せ「そういうことではなくて、テレビではファンドの募集が出来ませんのでイメージ宣伝というわけです。ある物件に対する出資ですから社債のような形で考えていただければと思います」
・ぼ「社債なんですか?(だったら元金保証に近い形で表現できるじゃん?)」
・せ「いいえ、そういうわけではないです。物件に対して募集しているんです」
・ぼ「まぁ、物件に対して募集していても将来は証券化できるように思うんですが(可哀想で、これもこれ以上つっこめず)」
・せ「そういうことも考えていきたいとは思っております」

 10年以上前から様々にファンドを運用しているらしいが、資料には過去の運用成績もなければ、各期の決算もついていない始末。やる気あるのか?と思わせて十分だが、「悪いものを売っている人ほど営業が上手い」の例えをひくまでもなく、これで必要十分なんだろう。じゃぁ、目をつぶって俺に預けた方がずっと良いのにと、本気で思った。預かりたくないけど。

 まぁ、この程度のものに預けたっていうことで、あとあと「詐欺に掛かった」という表現はやめていただきたいと思った今夜、みなさんいかがお過ごしですか?と、きっこ風

 営業成績の落ち込みなども真摯風に説明していたが、その際の配当の計算方法なども一切説明ナシ。無配したことや、元金割れしたことはありませんとは言うが、正式なファンドでもないのなら、普通に貸借契約結べば?

 どうやら和牛をやっていた連中のその後らしい。さて、どこで飛ばすんだろうねぇ。
 さて、これならJーREITのほうがましか?とも思ったが、どっちもどっちね。J−REIT空売りがあれば、そのほうが頼もしい。

・ぼ「さきほど14億円の資産価値があるということでしたし、そのうちファンドとして販売しているのは半分以下というお話でしたが、元々の買い付けにはどのような資金調達をされたのですか?」
・せ「銀行や、会員の方の出資などです(だから会員分は関係ないんだってば)」
・ぼ「最初の募集前の時点での調達金利はどのぐらいですか?」
・せ「まぁ、いろいろ・・・銀行なら2%程度、会員のみなさまからならその程度です(だから、会員のみなさまは聞いていないんだってば)」
やっぱり可哀想だったから、これ以上つっこめなかった。

 「銀行から低利で調達できているのに、なんで会員を募って高利のファンドで資金調達をする必要があるの?」という本質的な問いを恐れているのが目つきでわかる。その子羊のような目を何とかしろ。しかし、裏を返せばつまり、非常にまじめな奴が説明をしていた。よそでは突っ込まれまくったりしてるんだろう。これは驚くべきことだ。すごむのではなく、おびえている。なぜだ?おまえらは使いっ走りか。食事中も俺のテーブル(4人)には営業に来ないし。帰り際の挨拶は俺に緊張しまくってるし。

 しかし、彼らの大ボスのような人を他に見つけることは出来なかった。