デンマーク

 子育てのための消極的選択肢として、棄国というのはこれまでも考えていたことだが、積極的には「全く」移住したくなかった。さいきんねぇ「棄国」で検索してくる人が時々(といってもこれまでに数人だけど)いてびっくりするんですよ。

 まぁ、それはいいとして平凡な日本人が自分の子供をグローバルエスタブリッシュメントの仲間入りさせようと思ったら、やはりユーロギムナジウムに入れるしかないんじゃないかとつくづく思うわけです。でもそれにしても子供がその年齢に達した時に判断すれば良いことであり、親が強烈にコミットする話でもなかった。要するに、幼児教育に対するコミットが発揮できるような場所、地域が見つかっていなかったわけ。

 んが、どうやらそれはデンマークであるみたいだ。生活費安くならないんだよなぁ。所得税は、社会保険・年金とあわせるとあまり変化しないけどね。
 
 悔しいのは、かつて日本にあった教育はその体系性の中では十分に優れていたという事実だ。破壊されるまでは。そして、それを破壊することがひとつの占領目標であったことは疑いようがない。だから、今の日本には優れた教育システムがない。特に情操において。西洋型の民主主義世界における優れた教育はどうしても個性重視に立脚することになり、それは今の日本人にはおよそ不可能なものなのだ。疑う人はデンマークの教育システムを調べてみてください。

 希望としては長男が学齢に達するまでの移住か。時間がない。

 認めるさ。見ているものが違うだけで、日本国内での上位に食い込ませようと汲々とする親と、僕との間に大した心情的な差異はない。ただ、どう見ても華族社会とその周辺が崩壊させられ、使える漢字に隔たりがなくなった時点で世界に通用するエスタブリッシュメントバロン西とか)は日本にはほとんどいなくなってしまったし、せいぜい「良い学校を出て大企業に就職させたい」「日本社会に順応させたい」といった目標は僕ら夫婦には矮小にしか見えない。

 もっと白洲次郎ががんばるべきだったんだ・・・。それでも国を支えるエリートは育つと思っていたのか?晩年に、状況を憂えなかったのか?どうしうもなかったのか?正解は、最後だな・・・。