直方体を展開した件

 今月6歳になる長男が、直方体を展開したのを厚紙に書いて、曲げるところをはさみで紙の厚み半分切り欠いて、箱を作った。蓋と糊代はないが、すでにある蓋がない箱を真似したらしい。で、「これ作れる?」と別の蓋つきの箱を見せたら、「それは斜めになっているから難しい」と言われた。なるほど、その箱は直方体ではなく、横から見るとわずかに台形をしていたので、そのことを言ったらしい。適当というのは、あまりなさそうだな。窮屈な人生かもしれない。
 1〜2歳頃のIQで150ぐらいだったから、そのままだとすると9歳相当?早期教育を全くやっていないことからすれば、かなり高い方だろう。調べてみると小学校三年生の課程で平面図を見て完成図形を言い当てるという授業があるようだ。立体から展開図を想像するのと比べてどっちが難しいのかわからない。
 ゲームをしていない子供がこの手の能力で有利という話は聞かないので、あまり大したことではないかもしれないな。ただ、19歳のときの僕の知能テストで最高点は幾何図形構成能力で190相当だったので、この子も機械大好きだし、そっち方面には強いんだろう。
 まだ自転車を持っていなかった頃、自転車を借りたら、乗るんじゃなくて仕組みを観察することに時間を費やしていた。電気屋さんに行ったら、すべての冷蔵庫を開けてみて、様々な違いを楽しんでいた。
 一般には「この子は優秀だから勉強させて伸ばしてやらないと」という話も聞く。でもそれって、信頼感が薄いんだと思うんだよねぇ。我々両親からすると「受験勉強をしなければならないということはなかろう」とずっと昔から思っている。
 恥ずかしがらずに言えば、僕は僕や周囲が思っていたよりもずっと頭良かったようだが、そうした周囲の評価が本当に実感できたのは30歳を過ぎてからだ。結局、自我認識でなかった。しかも、上であれ、下であれ、予測を外すと人生計画が狂う羽目になり、どっちにしろあまり良いことは起こらないなぁと思う。頭脳とは直接の関係がないが、少年老いやすく、学はならなかった。心が丈夫であれば、もうすこしは有効に活用できたはずだとは思うが、そういうミスを子供に関しては繰り返したくない。
 そうした意味、頭脳を生かすには家庭環境にも周辺環境にも、期待される必要最低限の結果に関しても明らかに恵まれていたと思うのだが、それでもこんなもんだったなぁ。