スパイ・ゾルゲ

 篠田監督の渾身の作であることは知っていたが、しかし、映画としての出来は全く感心しなかった。これだけの大事件を扱ってである。wikiにも複数の関係者、事件そのものの項目が存在する。今でもロシア大使がゾルゲの墓参りをするというのも含めて、もっとなんとか作り方はなかったもんかいね。文学的にするにせよ、エンターテイメントにするにせよ、なんか、異常な出来の悪さを感じた。55点。

 様々に読んでいて新発見したのは、葉月の復帰作であったこと、篠田の奥さんは岩下しまであること、そして、青空文庫に以下の遺書が残っていることなどである。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000242/files/1322_ruby_20767.zip
 まぁ、なんとなく言い訳がましくて、あまり名文とも思えないんだが、そんなもんだろう。

 あと、映画の主題として、イマジンの歌にのせて革命と戦争を一緒くたに批判しているように思われたが、まぁこれも平和ぼけの一種だな。革命を美化するのではなく、ちゃんと捉えられない理由が時代背景であるはずはないけどね。