アレクサンダー

 正確には邦題アレキサンダーだったっけ?ミンゲラかと思ったら、オリバー・ストーン。なーんか、アカデミーを目指した風だったのに、三時間の尺はちょっと長い気がしたし、スペクタクルという点でもそれほど見るものがない。人生史としては精神面への光の当たり方が弱く、彼の持った偉大さと狂気の存在に関してそれほどの説得力を感じなかった。
 まぁ、アレキサンダーのことを良く知っているわけではないので、アリストテレスが家庭教師だったとか、彼らがほとんどギリシャ文化に根ざしていたとか、あてどなくインドまで遠征してしまったとか、いろいろ初めて知ったことはあったが、こんなことに知識を頼っているようではダメか。コリン・ファレルって、他にはどんなのに出てたんだっけか、と思いつつ調べるのがめんどくさい。俳優としての新境地、存在感、そつなさ、という意味では、ただのアクション女優と思っていたアンジェリーナ・ジョリーが、しっかりと演技を行っていたことにびっくりした。しかも存在感抜群。現実味もある。これならアリーとかの繊細な演技もこなせそう。対して、ファレルは食われ気味。主役が食われてどうするよ。若くてもそれなりの威厳と存在感、大いなる狂気と狂信のどれかを持っていたんだろうと信じられるような表現でも良かったんじゃないかい?兵がついてくる理由を肌では一切感じられない。「あぁ、これでも殺されずにインドから戻ってきたんだ」ミタイナ感じで。65点。と思ったが、架空の話だと思っていた時点でのスパイバウンドよりは上だな。70点。