キルビル

 「タイタス(0点)」につぐ気持ち悪い映画だ。たけし映画のように凶暴な映像がなんらかの意図に結びついている感じを感じない。殺陣もそんなに上手くないんじゃない?だいたい剣道すらやってない人に日本刀降らせても腰の入り方が全然違うじゃん。なにかのゲームにトレースで作成されていた小次郎とか武蔵とかの動きを真似させようとかいうこだわりはなかったんかいね。スタントで十分だろうに。

 ストーリーもあんまり感じるところはないし、異様に血が吹き出るのもどうしたものか。映像ひとこまひとこまに宿る緊張感は確かにタランティーノのものだったけれど、これを日本時代劇への賞賛とされてもどうもねぇ。彼が「ドーベルマン(45点ぐらい?)」を誉めていたのがわかった気がする。

 血が吹き出たりする映像は、それ以前のタメがあるから美しかったり、何らかの情動を湧きおこしたりするわけであって、映像そのもので何かの感動を引き起こしているわけではないのよ。きっと。映像そのものの美しさが必要であれば、写真でも良いじゃん?商業映画でやるこたないでしょ。結果的に画面は緊張感を失っているし、なにかのはかなさに準じる美しさや哲学を背景に持っているわけでもない。本当に彼はただ勘違いをしているのだろうか。それとも確信犯なんであろうか。良くわからない。

 先日テレビでやっていたのをごく一部見た、ザトイチの緊張感と、やっぱり比較にはならないわなぁ。まぁ、BGMを含めて随所にわらわかしてくれるところはあったけどね。PG15なんて生やさしい。R18つけても良いと思う。ついてたのかな。5点。