新生児微笑

 最近はチンパンジーの乳児が新生児微笑をすることが確認されている。面白くもうれしくもないのに、生まれたての赤ん坊は反射で笑うのである。普通であれば30日ほどでこの反射はなくなる。しかし、遺伝的にこうした反射があるということは、つまりこれあるとないとでは生存確率が違ったことを意味する。考えるに、生まれたての赤ん坊がほとんど生物としての生存能力を持っていない高等類人猿において「親が子供を捨てるのはあたりまえ、ないしは、紙一重」だったのではないかと思う。まぁ、俺が思わなくても科学的裏付けがあるようなもんだ。
 自力では眠ることもできない、摂食もできない、寝返りもできない。ほとんどタダのうごめく動物。しかも非常にうるさい。こんなものが自然にかわいいと思えるとすれば、それも反射にすぎないだろう。生物の進化に愛などはナンの意味も持たない。