恋愛はひとりで出来ない

 昔、好きになった人のことを思いだして、ありがたいなぁと思った話。
 恋愛で大切なことは人を好きになることだ。それに、片思いであれ恋愛は一人では出来ない。
 まぁ、どこかにいってしまったわけではないので、そこいらにはいるんだけど、なにせ文化圏が同じもので、また周辺で昔と変わらない言葉を振りかざしているという話を聞く。
 それなりに迷惑なんだけど、考えてみれば彼女とどうこうという話だったのはもう5年も前のこと。僕自身は社会的にも、金銭的にも、家族的にも、ブランド的にも、経験も、知識も、思想も、活動命題も、様々なものがかなり変わってしまっている。あの当時はいくらかであれ、彼女と同じ問題や知識を共有して共闘関係にあったのは間違いないが、今はそういう共闘関係をまったく形成できる見込みがない。もっとも、30歳を過ぎてからの数年間でこれだけ脱皮し続ける人間も相当に珍しいわけだ。
 同時に、伝え聞く限りまだ同じような命題などを維持している彼女の話を聞くに、これまでの時間の経過を感じるわけだ。
 ただ、様々に過去生で関わりがあったのは複数の証言からも明らかで、彼女との関わりでもっとも困ったのは生き霊(障り)であった。夜な夜な、手足にかゆみの強いじんましんが出て、そりゃぁ苦労したのよ。その生き霊がどういう理由、経過であったか、本質的には定かでないし、少なくとも彼女の現世的意識の中でそうした理由を探ることは出来ないはずだが、まぁ、魂レベルでなんらかの拘泥があったのは間違いない。
 ま、そういう現世的やるさなさ、彼女の無意識下のなにかを超えて、とりあえず人に恋できたのは楽しかったなぁと思うわけ。わざわざではないものの、会えば「ありがとう。」と言いたいね。