祖父の墓参りに行く

 ちょっと長距離の散歩に出て、下関に行ったら、祖父の墓参りをしたくなって、行った。実はこのお墓のお墓参りはおそらく中学生の時が最後で、それ故、お墓の場所をほとんど覚えていなかった。覚えていないことは知っていたけれど、まぁ、それでも行ってみて、なんとかたどりついた。あまり迷いもしなかった。でも、田舎ということもあり、今時にしては広大な墓地で、良く見つけたものだと思う。
 祖父はおそらく97年ぐらいに他界した。町医者ではあったが、一般的に言う名医だったはず。少なくとも技術はかなりだった。病床に伏せ、7年間ぐらいは生きていたが、僕が囲碁部の夏の合宿で大島にいるときに知らせを受け、急遽、葬式に戻ったのを覚えている。ひめちゃんと、元彼(今の亭主)が仲良くしているのを微笑ましく見た最後の時だったように思う。まぁ、今だって仲良いんだろうけどね。
 その前にも後にも、このお墓はあまり参ったことがない。もともと石川の地主名族だった祖父がここに居着いたのは戦後のことで、それは祖母の家族がいたから。苗字も違い別にお墓もある。そちらのほうが覚えやすかったので場所は知っていて今回も参った。だから、このお墓は昭和34年に作ったと書いてある。多少精神的に問題がある(といっても開業医を40年もやっているけれど)叔父が毎日来ているのだろう。花が生けてあった。
 しかし、ほかに誰かの骨が入っているのかな。入っていないだろうなぁ。石川からお骨を運んだという話も聞かないし、石川の親戚とのつきあいも聞いたことがない。
 その後、最近庵主が代わった観音寺に行く。母はこの寺に信仰があり、先のロシア行きでもお守りはもらった。まぁ、会うのは初めて。多少俗っぽい感じがする男性の坊だが、真面目な修行などはしているのだろう。つくづくあの世に近いかどうかは持って生まれたものが強く影響するのではないかと思った。
 帰りは実家に寄る。最近、あまり報告できるようなことがなく、詳細な報告もしづらかったのを、ちゃんとお話しした。どう受け取られるかと思ったが、報告したことそのものは喜んでくれた。先週、どうなってるのと聞かれてから気になっていたのでこれも良かったね。
 帰りの列車の時間を気にしていなくて、モノレールに乗り損ねそうになり、タクシーで駅に行った。11時前だったが、5分890円。モノレールだと190円だから、700円の浪費。すべての新幹線が停まる駅からこのぐらいの距離で僕は育ったのか・・・。都会にあこがれがないはずだ。
 いつもの缶詰バーに行ったが、家内に呼び戻されて実家での報告をした。