アッパーミドル養成

 ある人が
 「20年間色々な途上国の就学支援をしてきたが、結局のところ中等教育卒業支援はほとんど明確な成果を出し得ず、今後は高等教育卒業支援をしたいと考えているのだけれども・・・」とおっしゃったので、
 「論理的正解として、国費奨学金や、国費留学生は、社会の中でのアッパーミドル、ワールドエスタブリッシュメント養成が最も効率的だから、まずほとんどの国はそうしているんだけど、その考え方は、現代日本ではほとんど理解されないばかりでなく、格差容認的であるというレッテルを貼られる。極めて寂しい少数派なのである」
と、語っておいた。
 確かに、ある地域の競争力が付いた暁には別の地域の富を収奪しているという可能性は十分にある。これはこれで問題だけれども、だからといってそれを放置したここ10年の日本の沈降を考えるとき、こうした当たり前の視点と国策が全くなかったことの結果であると、まぁ、誰の目にも明らかだよね。