技術者が報われにくい理由

だから技術者は報われない

 技術者が報われないのは流動性の低さによるものではない。もちろん、流動性が高いが故に労働条件がよい職種といえば看護士などがあるが、アメリカ事情について書いているロバート・キヨサキですら「専門職のために労働組合がある」と言っている。

 おそらくことの本質は「リスクを取っているかどうか」にある。中村修二教授が裁判結果に対して不満を持つのは当然だが、それはリスクリターンを就職の時からちゃんと説明していないことにある。

 昨今では研究職とは特許に関するちゃんとした取り決めをした上で研究するらしい。といって、最初は裁判逃れかなと思っていたんだけどそうでもなくて、最初から対価を設定しているらしい。

 どの部分が研究者個人の資質による利得なのか、どの部分が企業がとったリスクに対する対価なのかの評価は難しいことだろう。

 ラリーが言ったとおり「すべての人は商品トレーダー」なのである。

 本当に単純な技術者として報われようと思ったら、発明家になるのが良かろう。理想化学工業のようであっても良い。リスクリターンが大きいが、その分のリスクプレミアムはあるんじゃないかな。