奴隷?貴族?

 http://d.hatena.ne.jp/usopamchi/20090502

 言っていることに大した反論をする気はないのだけれども、パラダイムとして2点。

 ひとつに、奴隷制がなにを形成してきたかの歴史的認識が不足している。奴隷制の歴史の結果を我々は享受しているし、それを否定できる現代人は存在しない。それは僕ら自身の命と文明そのものを否定することだから。奴隷制が悪かどうかを僕は判断しないが、奴隷制なしに現在の文明は絶対に形成できない。この真実を多くの人が見失っているのは悲しいことだ。

 奴隷制を低く評価する価値観そのものは、我々の文明の未来を考えるうえで否定できないが、これまでの歴史の中で奴隷制が無くなったことなど一度もなかったという真実を否定するところから話が始まると、それは単なる大本営発表でしかなく、聞くにも読むにも値しないレベルの論にしか僕には見えない。

 同じく「偏りが政治問題」とするのはどうかと思うよ。政治問題が存在しない時期から偏りはあったわけだから。