本当にわからない

 世の中のほとんどの人は僕よりもお金に拘泥していると思う。疑いもなく長時間をお金のために労働に費やし、無批判にお金のためには働かなければならないと結論する。

 が、反面、お金とまじめに向き合うことをしない。向き合うことを拒否していると言っても良い。その頭の中には、インフレも資産の考え方も郵貯国債のことも固定されていて、概念が存在しないか、概念が存在していても向き合うことがない。目の前で数十年に渡るインフレを経験しているのに、インフレのことがわからない。元金保証の裏に隠れている巧妙な罠を、説明していても理解しない。恐らく、理解できないのではなく理解する気がない。

 これがお金に興味がない人たちならまだわかる。しかし、そうでもない。なぜだ。どうすればこの人たちを啓蒙できるのだろうか。なにも、生活から遊離した崇高な思想説明しているわけではない。長時間を割いて時間をお金に変換した成果が、今、消えようとしていることの説明がどうしても聞けない。危機が大きくなりすぎて向き合えないわけでもない。今は安泰なのだ。

 話を聞く人が増えている状況では、話を聞けない人のことが際だつ。本当に本当に本当に理解できないが、理解できない以上、僕にこの啓蒙は不可能であろう。

 以下、11月24日に加筆
 もしよろしかったら、併せて
http://d.hatena.ne.jp/tomonya/20051124#p2
を参照して下さい。

幸福感調査

http://www.sankei.co.jp/news/051118/morning/18iti001.htm

 この教授の名前で検索しても元データがネット上にない。もっと詳細に見てみたいのに。

 総和快楽主義としては非常に大切な調査。Nが大きいのも信頼感が高い。まぁ、普段からもっとも大切にしている視点なので、まるで店頭の売り子が把握しているマーケティングセンスのように、僕の認知とは差がない。

 にしても、所得との相関の山が年収1500万円とかいうのは、データがないとわからないしねぇ。直感的には900〜1200ぐらいかと思っていた。もっとも意外だったのは学歴との相関がきっちり存在したことだ。分布にもよるが、これぐらいのNでこれぐらいの差なら、有意差があるといえるのかな。高卒と大卒の差をきっちり観察したい。傾向として高学歴になるほど高得点であるのなら、やはり有意か。載せてないってことは、高卒と大卒の差がほとんどなかったりして。あー、もっと詳しく知りたいもんだ。金かけてもいい。なんといってもNと有効回答率が大きいのは非常に魅力的だ。

 たとえば、学歴と職種とのどちらがより相関が高いかということからすれば、どちらも0.3ポイント差で、この差を率で考えても双方の幸福に対する相関にほとんど差がない、というのも面白い。なぜなら職種を選ぶにはそれほどお金がかからないけれど、学歴でさをつけるにはお金がかかるから。

 わずか0.3ポイント、率を評価した差でも職種なら管理職と事務職(分類が謎だけど)で0.3/6.5=4.6%で、学歴なら院卒(修士?)と大卒で0.3/6.8=4.4%程度。分布にもよるが二年間の就学と学費を考えるとどうなんでしょう。学生の時期が長い分、職種的に幸福な時期も長くはなるんだろうが・・・。

 さらに面白かったのは後半、「非喫煙者と喫煙者では非喫煙者、ギャンブルをする人としない人では、しない人のほうが幸福度が高かったが、飲酒習慣で比べると大差はなかった。宗教心のある人とない人では、ある人のほうが、他人の生活水準が気になる人と気にならない人では、気にならない人のほうが高い」というのはなかなか僕がいいセンいってるということだろう。

 貧富の差こそが不幸を生み社会不安を醸成するというのがはっきりと否定された以上(他人の生活を気にするかどうかのほうが相関が高そう)、個人の傾向や性格、感じかた考え方を中心に組み立てる教育を行い、資本主義の現実を受け入れた社会構造を維持することで、施策の両輪となるのではなかろうか。幸福感を中心にケアしていない人に望んでも空論か。

三菱アウトランダー

 ニュース23でやっていた開発の裏側を少し見たが、開発の最終段階、開発が終了し、車名が決まったぐらいの段階の会議で、営業本部長が「日産のXトレイルに比べてなにが売りなのかがはっきりしないと売りにくい」とか発言してるのをみて、やっぱりこの会社はだめだと思った。売れるか売れないかが一番大切なのに、なんで現場の営業の声や、マーケティングが全く反映されてないんだ?いつの時代の車作りなんだろう。信じられん。しかもこれが編集をすり抜けて番組として放映されている現実。このことが問題だという意識が企業内部に存在しないようだ。気が狂ってる。「経営が狂っているのではなく、魂(商魂)が狂っている。(何度思い返しても、黙示録のこのせりふは名言だと思う)」これは企業体質の問題だし、その企業体質に問題を感じるだけのセンスが存在しないようだし、トヨタのまねをするだけの能力もなさそうだし、いくら大資本で支えたからって、企業自身は早晩なくなるしかないだろう。
 工場長がのんびりと「20年の殿様商売体質ですから、直すのには20年ぐらいかかる。ただ今回の不祥事できっかけが出来たのがよかったと思うんですよ」といってるのを聞いて、さらにノックアウトされた。つまりこの言葉が、「この会社は潰れる(現実的には吸収されるんだろうけれど)しかない」という引導を渡しているという自覚がない。これが大企業なのかな。
 自衛隊車両の一部を作っていたはずだけど、ここいらの問題がクリアされれば、葬られちゃうんじゃないかな。
 だめだ。日本語で「バカは死ななきゃ治らない」。英語では「バカは何度死んでもバカ(だったっけ?)」っつー感じだ。