幸福感調査

http://www.sankei.co.jp/news/051118/morning/18iti001.htm

 この教授の名前で検索しても元データがネット上にない。もっと詳細に見てみたいのに。

 総和快楽主義としては非常に大切な調査。Nが大きいのも信頼感が高い。まぁ、普段からもっとも大切にしている視点なので、まるで店頭の売り子が把握しているマーケティングセンスのように、僕の認知とは差がない。

 にしても、所得との相関の山が年収1500万円とかいうのは、データがないとわからないしねぇ。直感的には900〜1200ぐらいかと思っていた。もっとも意外だったのは学歴との相関がきっちり存在したことだ。分布にもよるが、これぐらいのNでこれぐらいの差なら、有意差があるといえるのかな。高卒と大卒の差をきっちり観察したい。傾向として高学歴になるほど高得点であるのなら、やはり有意か。載せてないってことは、高卒と大卒の差がほとんどなかったりして。あー、もっと詳しく知りたいもんだ。金かけてもいい。なんといってもNと有効回答率が大きいのは非常に魅力的だ。

 たとえば、学歴と職種とのどちらがより相関が高いかということからすれば、どちらも0.3ポイント差で、この差を率で考えても双方の幸福に対する相関にほとんど差がない、というのも面白い。なぜなら職種を選ぶにはそれほどお金がかからないけれど、学歴でさをつけるにはお金がかかるから。

 わずか0.3ポイント、率を評価した差でも職種なら管理職と事務職(分類が謎だけど)で0.3/6.5=4.6%で、学歴なら院卒(修士?)と大卒で0.3/6.8=4.4%程度。分布にもよるが二年間の就学と学費を考えるとどうなんでしょう。学生の時期が長い分、職種的に幸福な時期も長くはなるんだろうが・・・。

 さらに面白かったのは後半、「非喫煙者と喫煙者では非喫煙者、ギャンブルをする人としない人では、しない人のほうが幸福度が高かったが、飲酒習慣で比べると大差はなかった。宗教心のある人とない人では、ある人のほうが、他人の生活水準が気になる人と気にならない人では、気にならない人のほうが高い」というのはなかなか僕がいいセンいってるということだろう。

 貧富の差こそが不幸を生み社会不安を醸成するというのがはっきりと否定された以上(他人の生活を気にするかどうかのほうが相関が高そう)、個人の傾向や性格、感じかた考え方を中心に組み立てる教育を行い、資本主義の現実を受け入れた社会構造を維持することで、施策の両輪となるのではなかろうか。幸福感を中心にケアしていない人に望んでも空論か。