本当にわからない

 世の中のほとんどの人は僕よりもお金に拘泥していると思う。疑いもなく長時間をお金のために労働に費やし、無批判にお金のためには働かなければならないと結論する。

 が、反面、お金とまじめに向き合うことをしない。向き合うことを拒否していると言っても良い。その頭の中には、インフレも資産の考え方も郵貯国債のことも固定されていて、概念が存在しないか、概念が存在していても向き合うことがない。目の前で数十年に渡るインフレを経験しているのに、インフレのことがわからない。元金保証の裏に隠れている巧妙な罠を、説明していても理解しない。恐らく、理解できないのではなく理解する気がない。

 これがお金に興味がない人たちならまだわかる。しかし、そうでもない。なぜだ。どうすればこの人たちを啓蒙できるのだろうか。なにも、生活から遊離した崇高な思想説明しているわけではない。長時間を割いて時間をお金に変換した成果が、今、消えようとしていることの説明がどうしても聞けない。危機が大きくなりすぎて向き合えないわけでもない。今は安泰なのだ。

 話を聞く人が増えている状況では、話を聞けない人のことが際だつ。本当に本当に本当に理解できないが、理解できない以上、僕にこの啓蒙は不可能であろう。

 以下、11月24日に加筆
 もしよろしかったら、併せて
http://d.hatena.ne.jp/tomonya/20051124#p2
を参照して下さい。