アメリカのイラク攻撃

 ここへのトラックバック

 テロ対策としての国家攻撃が果たして戦術的に有効なのかどうか。本当にアルカイダ911の犯人だったとして、イラク攻撃がアルカイダによる今後のテロを減弱させるという根拠は全く見あたらないように自分には見えます。アフガニスタンの結果により、その有効性はすでに疑問視されてしかるべきだったのではないでしょうか。

 また、どちらが正しいかは別にしたとしても、なぜテロが起こっているのかという原因に関する認識が、アメリカ国民とそのほかの国の人たちとで大きく食い違い、アメリカ国内ではほとんど思考停止の状態であるかに聞いています。それが早急に訂正される可能性がないのもまた、極めて不思議な話です。

 もうひとつは、大量破壊兵器保有が民主国家によるものであれば受け容れられ、そうでなければ危険視されるのであれば(現状のアメリカを持ち出すまでもなく、民主主義だって暴走しますからこの論理自身自分には受け容れがたいですが)、破壊兵器の排除という選択肢の他に、民主国家への転換という選択肢もあるでしょう。あるいはそのための攻撃は現在ほどの規模ではなかったはずです。民衆の意志によらない民主主義を早急に流布しなければならないのは、なぜなのでしょうか。

 自分から見ると、無数のケチが付けまくれるイラク戦役ですが、本筋から外れた余録で良いので、こういう部分に関してアメリカ知識層がどう考えているのかを教えていただければと思います。