イラク戦争の理由

 昨日のコメント欄へのお返事です。長くなったのでここで。

 所詮は米国内の情報に接していない僕の色眼鏡なんですかねぇ。

 大量破壊兵器の存在についての報告がある程度偏ったものであったように、アルカイダの力が弱められているというのにも疑いは持ってしまいます。小規模テロなんて、やる気になればそんなに難しくありませんし。アメリカ国防の関連部署で「このままではまたテロが起こる。こんなにテロ対策がダメだった時期はない」と多くの古参職員が辞め、警告しつつあるという話もまた、裏付けになるのではないかと。

 僕らから見ると、テロの本質的原因は欧米社会の勝ちすぎに集約されます。これも色眼鏡なのかな。これについてアンフェアの一言ですますことは簡単ですが、同じ質問をアメリカの一般人にした日本のテレビ局の記者は「質問そのものが失礼だ」と言われて怒られていました。基準点の取り方によってアラブ社会にテロの原因を求めることは簡単ですが、その対策はアラブ社会の破壊でしかなく、そんなことを本気で考えそして本当に実行してしまうことに、冗談のような現実を見てしまいます。アラブが軍事的に強ければ、その際は欧米社会を破壊しにかかるのかもしれませんけどね。歴史なんてその程度のものなんでしょうか。

 核拡散防止条約は、条約としてはそのままでしょうが、その成立理念が僕には全く理解できません。欧米社会の維持のためという理念なら、それを受け容れた国はそのルールに従うのが約束事でしょうが、受け容れない国がなぜ糾弾されるのでしょうか。約束したくないから約束しないだけではないかと思うのです。


 結局、この手の話は現状認識を含む情報源によってある程度決まった結論が導き出されてしまうことから、情報の精査こそが大切だということがわかりますね。僕は自分の持っている情報にそれほどの自信があるわけでもなく、アメリカ国内にあるコンセンサスでも疑問が解消されないことがわかったという結論になりました。