件の化学少女

 話題になっていた戦争に関する統計が沢山載っている本によると、人口の2%は殺人を楽しめるんだそうだ。まぁ、今回はそういうわけではないけれど、本質的には同レベルの偏差ってことで片づけられるように思う。それを実行に移してしまうまでには、かなり多数のスイッチを同時にonにしなければならないだろうが、そっちは確率の問題で片づけられるしね。

 良くある論調の「異常」という片づけ方は辞めて欲しいんだと、再三思うんだよね。無理だろうけれど。

 ちなみに、僕はきっこ様のブログで彼女の日記の抜粋を読んだが、別に怖い感じはしなかったし、強烈な印象を与えてくれたのは以下の部分

暗闇の大木に揺ら揺らと紅い光を馳せて蝉が光る茶色く干乾びた其の体に命の残り火を燻らせニイと啼く木々の沈黙の中其の声は雨の様に僕の下へと降り注ぐ

 是非更正して文学を描いていただきたいと思う。佐川にしろ、サド侯爵(公爵?)にせよ、その現実の罪と、出力される何かは全然別の物だし、別の物として扱うことが出来るのなら、利用価値がある物だけを利用するというのは、近代文明社会の冥利だろう。

 とはいえ、彼女が尊敬しているイギリスの毒薬実験魔(殺すのが目的ではないのでこう表現すべきであるように思う)は、出所後も人を殺したから、更正は無理かもしれないね。