起業バカ

 起業の成功率なんてのは僕の周囲では常識的に言われていることなので、そんなに耳珍しくもないし、周囲の飲食店で3〜6ヶ月で退店するのを散々見ているので、どのぐらい予測が甘い人が多いかは知ってるつもり。まぁ、かく言う僕も起業を成功させた経験があるわけでもないが、成功体験そのものが存在しないからそれに基づいて甘かったりしないし、貸してもらえないから大きな借金が残ったり、努力できないから努力が水の泡になったり、していないのがミソといえばミソか。

 ただ、脱サラする人はこれを読んでからの方が良いだろう。最近、これから大学教授を辞める人が「これからコンビニでも」と言っているのを聞いて大変びっくりした。着想そのものが信じがたい出来の悪さだったし。

 勉強になったのは金融ブローカーの話か。あと不動産ブローカーの部分はわかりにくかったかなぁ。

 こうした起業で様々な種類のリスクを抱えながらのリターンに挑むぐらいなら、プロを真似するのが難しいとは言え、投資のリスクリターンはずっと机上の計算に近いリスクリターンだと思う。シストレ者ならばなおさらのこと。

 時間とお金と労力の戦略的投資という意味では「人生計画」から落とし込んできた経営理念と計画がもっとも必要なんだけど、それと向き合うには人生に対するかなりの緊張感が必要なわけで、そうした緊張感を奪う方向のことばかりを成長期に行うもんだから、なかなか成功者は現れないよね。

 ほとんどの人にとって、「上場」とかいう「生活に即してもいなければ経験したこともない抽象的な目標」を達成するのは、相当の「努力とは関係のない能力」が必要であり、動機の掘り下げという点だけでも十分に失敗しているとしか言いようがない。

 へへん、上の書き方なら多くの人がどういするだろうけれど、これは<「大金」とか「豊かな生活」とかいう「生活に即してもいなければ経験したこともない抽象的な目標」>と書き換えられることにご注意。同じぐらいの空想性の上に成り立つ概念でしかない。ふふん(なぜか得意げ・笑)。

 まぁとにかく、起業を志す人は読むべき。