グレーゾーンに踏み込んだ人間のその後

 今日のサンプロでもっとも印象的だったのは(誰が言っていたかは忘れたが)「グレーゾーンに踏み込んで大きな利益をあげた人間のその後は2種類しかなく、ひとつはそこからブラックゾーンに踏み込んでいく、もうひとつはそこから戻ってくる(みたいな表現だった)。そのままグレーゾーンにとどまる人はいない」というものだった。

 そうか。そういう意味では僕のように社会のホワイトからブラックまでの裏技が頭の中に満載されている人間が、それらのスキームを使うかどうか、その後もブラックに踏み込まずに(場合によってはグレーにすら踏み込まずに)、健康な人生を送り続けるかどうかという踏み絵は「引退を志向しているか」という部分でかなり判断できるということなのだ。この踏み絵は心強い。今後は多用することとしよう。裏を返せば「足るを知らない人生の終着点は、そう大したものにはならない」ということなのだろう。数億円を得ての引退を志向する人間はやはり健康なのである。

 そういえばヤフオクで6000万円だったかを取り込み詐欺した奴が居たが(例に漏れずこの手の周到に準備されたネット関連犯罪はほとんど捕まらない)、そんなはっきりしたブラックに手を出す奴でも、そこで引退して重版に至らなければその後の人生は結構健康なものなんだろうなぁ。

 というわけで、人の泣く顔が見えないグレーゾーン行為に関する情報の蓄積は、今後とも続けていくべきだなぁとつくづく思った。合法でも自然破壊してる産廃処理場の建設や、人生に役立たない受験支援なんかよりはずっと心が痛まないもんねぇ。

 さらに言えば、こういう善悪観がどこでどういうふうに形成されるのかは非常に興味深い。